インターペット統括マネジャー・野澤悦子さんに聞く──過去最大規模のペット展示会、その現状と未来

日本最大級のペットイベント「インターペット」は、今年で14回目の開催を迎え、過去最大規模となり東京ビッグサイトの1〜8ホール全体を使用しての実施となった。2025年4月3日(木)から6日(日)まで、東1〜8ホールにて開催され、出展社数は950社を超える規模にまで拡大している。ペット飼育数が減少傾向にある中で、なぜこの展示会は右肩上がりに成長を続けられるのか。運営を担うメッセフランクフルト ジャパン株式会社 インターペット統括マネジャー・野澤悦子さんに話を伺った。

企業の目が変わることで広がる市場の可能性

ー ペットの頭数が減る中、なぜ市場が拡大しているのでしょうか?

私が見ていて感じるのは、企業の注目するポイントが年々変化してきているということです。たとえばフード分野では、プレミアムフードやシニア向けなど、ターゲットを明確に絞った製品が増えてきています。今まで売れていた市場でも競合が激化する中で、企業は新たなターゲット市場へと戦略をシフトしつつある。その企業努力が市場拡大を支えているのだと思います。

ー ペットの展示会として最大規模になりましたが、その要因は?

出展企業のニーズやペットオーナーの多様化に対応するために、会場を広げたことでさまざまな新企画が実現できました。特に今年は猫オーナー向けの企画を拡大して展開したり、小鳥、小動物、アクアリウムエリアも強化しています。これまでワンちゃん中心だった流れが、より幅広いペット層へ広がっていることが一つの要因と言えるのではないでしょうか。

ー 海外出展社の参加状況はいかがですか?

韓国などからのユニークな商品も増えていて、見ていて面白い発見があります。ただ、海外の方は基本的にビジネス目的で出展されるので、一般消費者が多いことをデメリットと捉える企業もあります。今年はその課題に応える形で、日本のバイヤーと確実に会えるビジネスマッチングの場を初めて正式に設けました。

また今年初めてとなるのが海外企業の「パビリオン出展」。各国の政府助成のもとでイベント出展をされている仕組みです。これは、日本のペット市場が海外から見ても『高いビジネスチャンスがある』と評価されている証拠だと考えています。なお、海外企業に対しては3年縛りの出展条件を設けており、1年で成果を出すのではなく、長期的にインターペットと関わってほしいという思いが込められています。

今年はカナダ、韓国、香港、中国の4カ国からパビリオン出展している

防災意識と新しい体験の場づくり

ー 今年新たに導入した目玉企画はありますか?

大きく2つあります。1つは、猫オーナー向けに初めて用意したワークショップや歯磨きセミナーなど。もう1つが、防災をテーマにした「ペット家族まるごと防災」企画です。人間同様にペットの災害対策への意識も高まっており、避難体験や必要物資の展示などを通じて、備えの大切さを来場者に届けています。

ー 来場者の反応はいかがでしたか?

事前のアンケートでも防災に関心があるという声は多かったですが、具体的に『何をどれだけ備えれば良いか』、『自分の地域に避難所はあるのか』といった素朴な疑問が寄せられています。展示会での体験がその意識を後押しし、実際の行動につながればと思っています。

BtoBtoCという独自のスタイルが持つ強み

ー 野澤さんはメッセフランクフルトという国際的な展示会運営の会社にいらして、他業界の展示会も手掛けられていらっしゃると思いますが、他の展示会と比較した際、インターペットの特長は?

最大の違いは、BtoBtoCモデルであることです。ビジネス関係者だけでなく、一般の消費者も対象にしているので、企業が消費者のリアルな反応を直接得られる場になっています。このモデルによって、単に商談を行うだけでなく、実際に製品を使う消費者の反応をダイレクトに聞くことができ、マーケティングや商品開発にも活かされていると感じます。

あとは来場されるお客様はペットの「お父さんお母さん」であるということ。寒ければ温かいものを着せてあげ、お腹がすけばおやつをあげて。それを踏まえて、大切なお子さんとご参加いただいているという気持ちに寄り添った運営を心がけています。

ー インターペット事務局として今後目指す方向性は?

まずは、出展者・来場者含めたすべての関係者の満足度向上です。たとえば出展者が商談しやすい環境づくりや、来場者が自分の目的に合ったエリアにすぐたどり着けるような導線設計など、小さな工夫を重ねていきたいと思っています。

ー 将来的にはさらに規模を広げていく予定ですか?

もちろん拡大も視野に入れていますが、ただ大きくするのではなく『関わる人たちの満足度を高めていきたい』と考えています。出展者や来場者のご意見を聞きながら、ビジネスにつながりやすい環境をブラッシュアップするとか、コンテンツやステージの工夫もどんどんしていきたいと思っています。もちろん毎年実施のたびに課題もありますが、毎年同じではなく進化し続けていきたいですね。

取材/記事:小川類(Pet Biz JAPAN編集長)

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